紫外線対策をもっと賢く!日やけ止め+衣類・生活習慣の工夫

6月は紫外線が強まる季節。日やけ止めだけでなく、衣類や生活習慣の工夫も組み合わせて、しっかり対策しましょう。

紫外線の基礎知識

太陽光の性質

太陽光はさまざまな波長が混ざった白い光。プリズムや水滴を通すと虹色に分かれるのが可視光線です。これは光が波長ごとに異なる角度で屈折するため。雨上がりの虹も、窓辺のサンキャッチャーが室内に虹色の光を映すのも同じです。可視光線の両端には紫外線と赤外線といった目に見えない光も含まれています。

波長とは?

太陽光は電磁波という波の一種のため、紫外線の話に「波長」は欠かせません。波長とは、光の波の山から山までの距離。「太陽から地球までの距離」を波長と誤解されることがありますが、そうではありません。
波長が短いほど、エネルギーは強く、肌への影響も大きくなります。波長が長くなると、エネルギーは弱くなりますが、透過性が高くなります。紫外線は可視光線より波長が短く、目に見えなくても身体に影響を及ぼします。

UVA、UVB、UVCの違い


太陽光と紫外線

【出典】環境省ホームページ「紫外線環境保健マニュアル2020」

紫外線は、波長によって3つに分けられ、それぞれの主な特徴は以下の通りです。

  • UVA(315~400nm)
    最も波長が長く、エネルギーは弱いですが、透過力が強いので雲や窓ガラスを通り抜けます。真皮層まで到達し、コラーゲンやエラスチンに影響を及ぼしてシワやたるみの原因に。開き毛穴にもつながります。地表に届く紫外線の約95%。
  • UVB(280~315nm)
    表皮に作用し、赤く炎症を起こす、サンバーン(日やけ)や、メラニンの生成を促してシミの原因に。毛穴ジミや黒ずみ毛穴にもつながります。地表に届く紫外線の約5%。
  • UVC(100~280nm)
    最も波長が短くエネルギーも強いですが、オゾン層でほとんど吸収され、地表には届きません。

※nm:ナノメートル(1nm=100万分の1ミリ)

🌞UVとは?
「UV」はultravioletの略。直訳で「紫の向こう側」。日本語の「紫外線」も「紫の外側」なので同じですね。

紫外線の反射率と標高の影響

紫外線は、太陽から直接降り注ぐだけではなく、地面や建物などに反射して私たちの肌に届いています。その反射率は反射面によって異なります( 環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」より)。

  • 新雪:約80%
  • 砂浜:10〜20%
  • 水面・アスファルト:10〜20%
  • 草地・土面:10%以下

また、標高が1,000m上がるごとに紫外線量は約10〜12%増加。登山や高原、スキー場などでは季節を問わず対策が欠かせません。

日やけ止めの種類と選び方

日やけ止め(サンスクリーンともいいます)には、紫外線を防ぐため「紫外線防止剤」が配合されています。「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類があり、それぞれ複数の成分の総称です。紫外線の防ぎ方が異なります。

紫外線吸収剤

紫外線を吸収し、そのエネルギーを熱などに変えて肌の外に逃がすという、化学的な方法で肌を守ります。肌が熱くなったり、何か感じたりはしませんが、敏感肌や体質によっては刺激になる場合があります。高い防御力があり、透明で軽やかな使い心地が特長。
※紫外線吸収剤の成分や配合量は法律で規制されています。

紫外線散乱剤

紫外線を物理的にはね返して防ぎます。サラッとした使い心地で、肌への負担が少ないですが、白浮きやきしみを感じることもあります。

ノンケミカルとハイブリット

「ノンケミカル」と書かれた日やけ止めは、紫外線吸収剤を使っておらず、小さな子どもや敏感肌向けに多いタイプです。
多くの日やけ止めは、紫外線吸収剤と散乱剤の両方を組み合わせ、使い心地と防御力のバランスを取っており、最近は「ハイブリッド型」とも呼ばれるようになりました。近年は、敏感肌でも使いやすい吸収剤、白浮きしにくい散乱剤など、より使いやすいよう技術が進んでいます。

日やけ止めの選び方ポイント

使用シーンに応じてSPF・PA値、耐水性、使用感をチェック。「紫外線吸収剤は肌に悪い」と思われがちですが、アレルギーがなく、その製品が肌に合っていれば基本的に問題ないでしょう。吸収剤と散乱剤は、それぞれどの成分をどれだけ使用するかで、特徴の出方が変わり、他の成分の影響もあります。吸収剤かどうかに限らず、化粧品は肌に合わないこともあるので、不安があれば皮膚科専門医に相談しましょう。最近は、毛穴をカバーしたり、ファンデーションのもちを良くしたりなど、下地効果を兼ね備えた日やけ止めも増えています。紫外線対策と同時に美肌見せも叶えたい方におすすめです。

シーンに合わせた日やけ止めの選び方はこちら

紫外線対策:日常生活でできる簡単な方法

日常のちょっとした工夫で紫外線の影響を減らしましょう。

👒日常生活でできる紫外線対策

  • 帽子、サングラス:顔や目を紫外線から守ります
  • 日傘、長袖:直射日光だけでなく反射光も防げます
  • 日陰の利用:木陰や建物の影で浴びる量を減らします
  • 外出時間:紫外線が強い午前10時から午後2時をできるだけ避けましょう

🎨色や素材で紫外線を防ぐ

衣類の紫外線カット効果は、厚さや織り方だけでなく、色や素材によっても変わります。

  • 濃い色(黒・紺・深緑など):淡い色より紫外線を通しにくいです
  • ポリエステルやウール:紫外線カット効果が高い素材です
  • 綿や麻:ポリエステルよりも透過率が高い傾向です
  • ナイロン:紫外線を透過しやすい素材なので注意
  • UVカット加工:着用するだけで手軽に対策ができます

夏の定番「白い綿Tシャツ」は涼し気でも紫外線を通しやすいため、厚手で織り目の細かいものを選びましょう。黒はもっとも紫外線を通しにくい半面、熱を吸収しやすく、白との表面温度が20度以上という実験結果*1も。濃い色の場合は、通気性の良いデザインで暑さ対策も意識しましょう。

🐨オーストラリア発「Slip, Slop, Slap, Seek, Slide」
「スリップ・スロップ・スラップ・シーク・スライド」は、紫外線対策先進国オーストラリアのスローガン。服を着る・日やけ止めを塗る・帽子をかぶる・日陰を探す・サングラスをかける――学校や公共の場で広く実践されています。

カレーのシミが紫外線で消える?

ウコン(ターメリック)の色素「クルクミン」は、紫外線で分解されやすい性質があります。カレーのシミは洗濯後に直射日光に当てて干すと薄くなることがあります。晴れた日に試してみる価値あり!

まとめ

日やけ止めに加え、衣類や生活習慣の工夫が紫外線対策のカギ。お気に入りの紫外線対策グッズで肌も気分も快適に過ごしましょう。スキンケアもお忘れなく。この季節、みずみずしい使用感触のブランミネラーレのスキンケアもおすすめです。

*1 「熱中症予防に効果的な服の色は?表面温度は20℃の差」ウェザーニュース (2021年8月10日) 国立環境研究所 一ノ瀬俊明氏による実験 https://weathernews.jp/s/topics/202108/050255/

参考:環境省『紫外線環境保健マニュアル2020』www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2020/matsigaisen2020.pdf

関連リンク:シーンに合わせた日やけ止めの選び方はこちら