保湿成分ってなに?:知って嬉しい、うるおいガーディアンズ

COLUMN

保湿成分ってなに?:知って嬉しい、うるおいガーディアンズ

保湿成分ってなに?:知って嬉しい、うるおいガーディアンズ

乾燥知らずの美肌成分3選

私たちが毎日何気なく使っているスキンケアには、古くから愛され、肌のうるおいをしっかりガードしてくれる「守りの成分」があります。今回は、乾燥対策の強い味方であるグリセリン、ベントナイト、マリンコラーゲンをピックアップし、「うるおいガーディアンズ」と名付けてご紹介します。どれも肌のうるおいを守る頼もしいヒーローです!

保湿とは?

「保湿」とは、肌に水分を与えたり、肌から水分が逃げるのを防いだりして、うるおいを保つことです。保湿された肌は、みずみずしく、なめらかで柔らかい状態を保てます。肌にはNMF(Natural Moisturizing Factor)や細胞間脂質などのうるおいを保つ成分が存在しますが、年齢や環境などの影響によってこれらが減少すると、肌の乾燥が進行します。スキンケアで保湿するとは、これらの成分の不足を補い、乾燥から肌を守ること。その重要な役割を担う「うるおいガーディアンズ」それぞれについて解説します。

他コラムへリンク:乾燥肌が気になる秋:早めの対策で美肌をキープ

1.グリセリン:保湿成分なのに甘い?!

グリセリンは、ギリシャ語で「甘い」という意味の言葉「glykys」からきています。そう、甘いんです。砂糖の約3分の2ほどの甘さがあるとも言われています。古代エジプトでは、石鹸を作る過程で得られるグリセリンが保湿や治療に使われ、現在では世界中で食品にも利用される身近な成分です。
グリセリンはもともと私たちの体にも存在します。肌の皮脂腺から分泌された皮脂に含まれる「トリグリセリド」という脂肪の一種が、皮膚常在菌が分泌する「リパーゼ」という酵素のはたらきで脂肪酸とグリセリンに分解されるのです。こうしてグリセリンは自然に作られるため、肌になじみやすいんですね。
化粧品においてグリセリンは肌の保湿やバリア機能を助ける大切な成分です。分子量が小さいため肌に浸透しやすく、すみずみまで水分を届けてくれます。肌の天然保湿因子(NMF)と似たはたらきをするので、肌のうるおいが保たれ、柔軟になります。

 化粧品成分としてのグリセリン:
NMFに似たはたらきをする、うるおいガーディアン

●親和性:肌になじみやすく、べたつかない 
●保湿効果
●柔らかく、なめらかな肌へ

2.ベントナイト:大地のパワーが凝縮されたミネラルクレイ

次は、大地の恵みたっぷりのベントナイトです!大昔の火山活動で形成された粘土鉱物であり、天然クレイです。古代エジプトではミイラの防腐処理にも使用されていました。またネイティブアメリカンには「癒しの粘土」として知られていたそうです。
「ベントナイト」という名前はアメリカ・モンタナ州のFort Benton(フォート・ベントン)に由来しています。この町は19世紀西部開拓時代に毛皮交易で知られていました。周辺で発見された、その粘土鉱物に当時よく知られていた地名がそのままつけられたんですね。
化粧品成分としては、天然のベントナイトをパウダー状に精製したものが用いられます。クレイならではの吸着性を生かした、毛穴の奥の皮脂や汚れなどを除去するクレイマスクは人気です。その特性は毎日使う洗顔料にも活用され、肌のうるおいは奪わずに、日常の汚れや過剰な皮脂を洗い流してくれます。また、地球が育んできた豊富なミネラルも見逃せません。ミネラルはNMFにも含まれ、肌にとって重要な役割を果たし、肌をととのえ保湿をサポートしてくれます。

 化粧品成分としてのベントナイト:
洗浄から整肌までマルチにはたらく、うるおいガーディアン

●吸着作用:肌の汚れなどの不要物を吸着し肌をクリアに
●整肌作用:ミネラル豊富で肌を整え保湿力をサポート
●バランスを整え、すこやかな肌へ

3.マリンコラーゲン:エコな海の恵みでサステナブルな選択肢

最後にご紹介するのはマリンコラーゲンです!これは海の生き物から得られるコラーゲン。コラーゲンとは、ギリシャ語の「接着剤」を意味する言葉「kólla」からきています。動物や魚から抽出されたコラーゲンが、かつて「膠 (にかわ)」として知られる接着剤としても使われていた名残なんですね。
コラーゲンは、私たちの体にも存在する大切なたんぱく質。肌では主に真皮層にあり、肌の構造を支える「土台」です。ヒアルロン酸などとともに、肌の柔軟性とうるおいを保ってくれますが、30代あたりからその生成量が徐々に減少し、肌のハリや弾力が失われてしまうことに…。そのため、コラーゲンは、エイジングケア化粧品でもよく注目される成分になっているんですね。
また、マリンコラーゲンには魚の皮や鱗といった、普段捨てられてしまう部分を再利用したアップサイクル素材も多く、持続可能な資源としても注目されています。特筆すべきはクラゲ由来のマリンコラーゲンです。クラゲはそのプルプルした姿だけでも水分たっぷりな印象がありますね。「海月」とロマンティックな漢字が当てられている、水族館でも人気の生き物です。しかし、近年では一部の海域で特定のクラゲが急速に増え、生態系への影響が懸念されています。そこで、クラゲを資源として有効活用することは、廃棄物削減だけでなく、漁業被害の軽減や海洋環境の保全に貢献する手段にもなり得ます、クラゲ由来のマリンコラーゲンも、こうした取り組みの一つといえます。

 化粧品成分としてのマリンコラーゲン:
環境問題にも貢献する、うるおいガーディアン

●保湿効果
●ハリと弾力のある肌へ
●エイジングケアに

まとめ:うるおいガーディアンズの重要性

「うるおいガーディアンズ」はいかがでしたか?長い歴史の中で私たちの日常に根付いてきた、頼もしい保湿成分たち。グリセリン、ベントナイト、マリンコラーゲンは、それぞれ異なる特性を持ちながら、共通して肌のうるおいをガードする役割を果たしているのですね!最新の科学技術で次々と新しい成分が登場する中でも、その価値を失うことなく、スキンケアに欠かせない存在です。ぜひ「うるおいガーディアンズ」に注目してみませんか?日々のお手入れで、こうしたヒーローたちの力を借りましょう。古くから愛されてきた成分を取り入れたスキンケアで、肌本来の美しさと、うるおいに満ちたすこやかな肌を一緒に目指しましょう!