乾燥肌が気になる秋:早めの対策で美肌をキープ
秋が深まるにつれ、お洒落が楽しくなりますね。化粧崩れに悩まされることも減り、メイクを思いっきり楽しめる季節のはずが、「ファンデーションのノリが悪い」、「なんだか肌の色がさえない」と感じることはありませんか?それは肌のうるおい不足のサインかもしれません。次第に「かさつき」、「粉ふき」、「つっぱり」を感じる場合もあります。そのまま放っておくと、「肌荒れ」や「小じわ」など、さらに気になる肌トラブルへとつながることも。だからこそ、早めの乾燥対策で美肌を保ちましょう。
肌がうるおう仕組みを知って、賢くケア
表皮の仕組み:肌が自ら健康な状態を保つ力
肌の細胞は、表皮の一番下にある「基底層」で、細胞分裂によって生まれます。生まれた細胞は形を変えながら、「有棘層」、「顆粒層」、「角層」と肌の表面に向かって押し上げられ、最終的には垢となって剥がれ落ちます。このプロセスが「ターンオーバー」と呼ばれる、肌の生まれ変わりの仕組みです。
この表皮のターンオーバーの過程では、肌のうるおいに必要な物質がつくられます。つまり、ターンオーバーは肌が自ら健康な状態を保つために重要なプロセスなのです。この速度は部位によって異なり、例えば、外部環境に直接さらされる顔の肌では比較的早く進行する一方で、衣服で守られている部分の肌はゆっくりです。そのため、特に顔の肌は外部環境の影響を受けやすく、この「ターンオーバー」=「肌が自ら健康な状態を保つ仕組み」が乱れやすくなることがあります。
角層の仕組み:わずか0.02ミリの薄さの中で起こる力
肌の一番外側にある「角層」は、わずか0.02mmの薄さですが、水分保持と外部刺激からの保護という重要な役割を果たしています。ターンオーバーの過程でつくられる肌のうるおいに大切な物質とは、「NMF(Natural Moisturizing Factor)」と細胞間脂質であり、それらが角層の機能を支えています。具体的に、角層ではどのような営みが行われているのでしょうか?
●角層細胞:保湿因子を含みレンガのように並ぶ
角層細胞は、NMFを含みます。NMFは天然保湿因子とも呼ばれ、水分を吸収して肌のうるおいを保ちます。NMFの主要成分はアミノ酸、そして乳酸や尿素などです。
●細胞間脂質:隙間を埋めてレンガ同士をつなぐセメント
細胞間脂質は、角層細胞と角層細胞のすき間を埋め、角層細胞同士をつなげています。これにより、角層細胞が整然と並ぶことで、内部の水分蒸発を防ぎ、外部からの刺激を侵入させないバリア機能も果たします。細胞間脂質の主要成分は、セラミド、そしてコレステロールや脂肪酸です。
●皮脂膜:肌にフタをする
皮脂膜は、分泌された皮脂が汗と混ざり合って、肌の表面に広がった薄い膜です。肌を柔らかく保ち、角層内の水分を閉じ込めつつ、外部の刺激から肌を守ります。
これら3つの要素が良好にはたらくことで、うるおいのある美しくすこやかな肌を保つ役割を発揮しているのです。
スキンケアで保湿するとは
肌のうるおいは、もともと肌に存在する、NMF、細胞間脂質、皮脂膜が連携して守っていることがおわかりいただけましたでしょうか。スキンケアで保湿するとは、それら物質の不足をカバーし、皮脂バランスを整えながら、ターンオーバーをすこやかに保つことを目的としています。そのためには、毎日のスキンケアが大切です。
保湿成分・整肌成分の紹介
乾燥対策のスキンケア商品には、保湿成分や整肌(せいき)成分が配合されています。保湿成分は水分を保持して乾燥を防ぎ、整肌成分は肌の環境を整えてすこやかに保つ役割を果たします。中でもよく知られている成分をピックアップしてご紹介します。配合量や他の成分との組み合わせにより、より快適で効果的になるようにスキンケア化粧品は開発されます。うるおい不足のサインに気づいたら注目してみてください。
- アミノ酸:肌のうるおい力を上げる。保湿効果をサポートするNMFの主要成分
- グリセリン:水分を引き寄せてキープ。高い保湿力で肌を柔らかく整える、古くから用いられている成分
- 水溶性コラーゲン:優れた保水力。肌にハリと弾力を与える、エイジングケアでも注目される成分
- セラミド:角層バリア機能をサポート。乾燥を防ぐ、細胞間脂質の主要成分
- ヒアルロン酸:持続的な保湿効果。肌にしっかりとうるおいを与える、自身の数千倍もの水分を保持できる成分
- ベントナイト:優れた吸着性と吸水性。皮脂や汚れを吸着し、肌をクリーンに整えるクレイコスメの定番。ミネラルが豊富で、肌の状態を整え、他の保湿成分と組み合わせることで肌のうるおいをサポートする整肌成分
- ワセリン:肌表面に保護膜をつくる。肌のうるおいを閉じ込める、保護力のある成分
ライフスタイルで乾燥肌を予防
これからの季節、肌の乾燥はあっという間に進んでしまいます。スキンケアだけでなく、日々の生活習慣を意識することも、肌のうるおいを守る手助けになります。ヒントをご紹介します!
- 規則正しい生活:バランスの良い食事と十分な睡眠を心がけましょう。秋野菜や青魚など、季節の食材には肌に嬉しい栄養が豊富です。リズムの整った生活習慣で、肌の調子を整えていきましょう。
- 適度な運動:散歩や軽く体を動かすのにぴったりの季節です。体を動かすことで血流が良くなり、肌にもいい影響があります。心も体もリフレッシュしていきましょう。
- 入浴後の保湿ケア:湯船につかってリラックスしましょう。ただし、お風呂あがりにあまりのんびりしすぎると、水分が逃げてしまうので要注意です。早めに保湿ケアを行い、しっとりとした肌をキープしましょう。
- 室内環境の調整:気温が低下し、空気が乾燥してきたら、加湿器などを使って快適な環境を整えましょう。リラックスできるお部屋時間を過ごしながら、肌のうるおいも逃さずキープしやすくなります。
- こまめな水分補給:体の内側からも水分を補充しましょう。涼しくなっても水分補給は重要です。体の水分バランスを整えることで、肌もしっとりとした状態を保ちやすくなります。
まとめ
秋は、夏に受けた肌ダメージに加え、気温や湿度の低下で肌の水分が奪われやすくなります。さらに、寒暖差が大きくなると肌のバリア機能も不安定になりがちです。乾燥によってメイクのノリや見た目に影響が出る前に、自分に合ったスキンケア化粧品で早めの乾燥対策を始めましょう。肌トラブルも防ぎながら、乾燥知らずの美肌で、秋のファッションやメイクを思い通りに楽しんでくださいね!