フェノキシエタノールとは?アルコールとの違いと化粧品での役割

フェノキシエタノールを連想させる水と葉のスキンケアイメージ

化粧品の成分表示でよく見かける「フェノキシエタノール」。
名前に「エタノール」とつくため、「アルコールフリーなのに本当?」と疑問に思ったことはありませんか?  
実は、化粧品で「アルコール」という場合、成分表示では「エタノール(エチルアルコール)」のことを指します。  
となると、「フェノキシエタノールって一体何?」と気になってきませんか?

1. フェノキシエタノールとは?

フェノキシエタノールを連想させるスポイトから落ちる透明な雫の写真

フェノキシエタノールは、無色透明の液体で微かなバラのような香りがすると言われています。防腐剤として化粧品に使われることが多く、化粧品の品質を保つための成分として知られています。
日本では化粧品基準で配合できる防腐剤の種類と最大配合量が定められており、そのうちの1つです。フェノキシエタノールは、多くの製品で長年使用されてきた実績のある成分です。
緑茶(玉露)など自然界にも含まれていることが知られていますが、現在化粧品に使われているものは主に合成された成分です。 安定した防腐効果と安全性の評価から、日本をはじめEUやアメリカなど世界各国・地域でも広く使用されています。 例えば、日本やEUでは、防腐剤としてのフェノキシエタノールの最大配合濃度は1%までと定められています。

2. 「アルコールフリー」でもフェノキシエタノール?違いや見分け方を解説

化粧品の成分表示を確認する女性の写真

化粧品で使われる「アルコール」って何?

化学的に「アルコール」とは、ある共通点を持つ化合物のグループの総称です。
たとえば、グリセリンも「多価アルコール」と呼ばれるアルコールの一種。
しかし、化粧品で「アルコール」というと、通常はエタノール(エチルアルコール)を指します。
エタノールは、お酒や消毒でおなじみの成分。化粧品では、肌の引きしめや清涼感の付与、成分をなじませたり抽出したりする目的で使用されます。

フェノキシエタノールは「アルコール」?

フェノキシエタノールは、化学的にはアルコールの一種ですが、防腐剤として使われており、エタノールのようには揮発しません。つまり、いわゆる「アルコール(エタノール)」とは異なる成分です。

そのため、「アルコールフリー」と表示されていても、フェノキシエタノールが配合されている場合があります。「アルコールフリー」という表示は、あくまでエタノールが無添加であることを意味しており、フェノキシエタノールが含まれていても誤表示ではないのです

他にもある「アルコール」という名前の成分

たとえば「ベヘニルアルコール」や「セチルアルコール」もアルコールの仲間ですが、これらは保湿や感触を良くするために使われる成分です。エタノールとは性質も用途も違います。

エタノールが気になる方へ

エタノールは、揮発性が高く肌の水分を奪いやすいため、場合によっては乾燥や刺激の原因になることも。エタノールに対して過敏な方や、スーッとした清涼感が苦手な方もいらっしゃるでしょう。特に、肌が敏感なときや小さなお子さんが使う製品では、「アルコール(エタノール)」が無添加かどうかを気にする方も多いのではないでしょうか。

アルコール(エタノール)が気になる場合は、成分表示に「エタノール」と記載されていないかが目安になります。「無水エタノール」や「変性アルコール」と書かれている場合も、エタノールを含んでいます。アルコール無添加の製品を選びたいときは、成分表示をよく確認することが大切です。

💡「エチルアルコール」と表現されていて戸惑ったことはありませんか?
「エチルアルコール」は国際的な化学名、「エタノール」は慣用名、さらに日本語では「酒精」とも呼ばれるんです。いずれも同じ成分——つまり、一般的に「アルコール」と呼ばれるものを指しています。

3. 化粧品での役割と特徴

防腐剤の役割をイメージさせる清潔感のあるスキンケア製品の写真

フェノキシエタノールは、化粧品では主に防腐剤として使われます。
防腐剤とは、化粧品を最後まで衛生的に使えるように、中身を守ってくれる成分のこと。化粧品中で微生物が増えるのを防ぐために配合されています。

フェノキシエタノールは、化粧水や乳液、クリーム、日やけ止め、メーキャップ製品など、さまざまな化粧品に幅広く使われています。

水分を含む化粧品は、開封後に空気や指などから微生物が混入しやすく、カビや細菌の繁殖による変質や臭いの発生を防ぐために防腐することが必要です。適切な防腐剤の配合により、製品の変質や臭いの発生を防ぎ、最後まで心地よく使うことができます。

4. パラベンとの比較

フェノキシエタノールの他によく知られる防腐剤に「パラベン」があります。
フェノキシエタノールは、パラベンより刺激が少ないとされ、「パラベンフリー」製品の防腐剤としてよく使われています。ただし、防腐剤による肌への影響は、配合量や他の成分との組み合わせによって変わるため、成分の種類だけで刺激の強弱を単純に判断することはできません。

一方で、防腐剤を全く配合しないと、化粧品は変質したり、臭いや肌トラブルの原因になったりすることもあります。

グリセリンやBG(ブチレングリコール)などの保湿成分をしっかり配合することで、微生物が育ちにくい環境に整える工夫がされることもあります。
これらは防腐剤ではありませんが、防腐効果がある程度期待できる成分として、防腐剤のはたらきをサポートする目的でも使われることがあります。その結果、防腐剤の使用量を抑える助けにもなるのです。

また、エタノールも防腐剤に分類はされませんが、一定の防腐効果を持つ成分として利用されることがあります。

化粧品は、こうした成分と防腐剤を組み合わせながら、安全性と使用感、品質のバランスを製品トータルで保てるように工夫されています。

5. ブランミネラーレ:「7つのフリー」とフェノキシエタノール

7つのフリー処方のブランミネラーレスキンケア製品が洗面台に置かれている写真

ブランミネラーレは、天然クレイのベントナイト* を配合し、7つの無添加を実現したスキンケアシリーズです。フェイスウォッシュ、フェイスジェル、フェイスクリームのラインナップで、洗って補うシンプルステップ。すこやかな肌に導きます。

7つのフリー処方
無香料、 無着色、パラベンフリー、アルコール(エタノール)フリー、鉱物油フリー、紫外線吸収剤フリー、シリコーンフリー

ほのかなにおいや白い色は、原料によるものです。フェノキシエタノールをはじめとした防腐剤・防腐を補助する成分を適切に配合し、製品の品質と使い心地のバランスに配慮しています。

*洗浄成分(フェイスウォッシュ)、整肌成分(フェイスウォッシュ、フェイスジェル、フェイスクリーム)

まとめ

清潔感とひとつひとつの成分の重要性を象徴するビー玉の写真

いかがでしたか?
フェノキシエタノールは、化粧品の品質を守るために欠かせない防腐剤の一種で、アルコール(エタノール)とは異なる成分です。そのため、「アルコールフリー」と表示されていても、フェノキシエタノールが配合されている製品を見かけるのですね。

アルコールフリーの製品を選ぶ際には、
成分表示に「エタノール」「無水エタノール」「変性アルコール」と書かれていないかを確認することがポイントです。

また、防腐剤が配合されている製品でも、
清潔な手で使う、キャップをすぐに閉める、開封後た早めに使い切る――そんな日々のちょっとした気配りが、製品のコンディションを保つうえでとても大切です。

成分表示を確認しながら、自分らしいスキンケアを楽しんでいけたら素敵ですね。これからも、すこやかな肌を育てていきましょう。

※ アルコール(エタノール)や防腐剤に対して過敏な場合や、肌の刺激が気になる方は、使用を控えるか、必要に応じて皮ふ科医など専門家に相談しましょう。